Samantha Hauvette & Lucas Madani / インテリアデザイナー

ヌイイ=シュル=セーヌ/フランス 2021年5月

インテリア設計事務所Hauvette & Madaniの創設者で、インテリアデザイナーであるサマンサ・オヴェットとルーカス・マダニへのインタビュー。サマンサとルーカスは、エコール・カモンド デザインスクールで出会って以来、一緒に活動し、フランス国内外のハイエンドプロジェクトを成功させてきました。落ち着いたモダンな色調のサマンサのエレガントで洗練されたメゾネットのアパルトマンは、彼らの典型的なスタイルとなっています。

まず、自己紹介をお願いします。

サマンサ・オヴェット(Samantha Hauvette)とルーカス・マダニ(Lucas Madani)です。私たちは建築・デザインの学校であるエコール・カモンドで出会いました。そして10年前にインテリア設計とデザインのビジネスを立ち上げました。

どちらかというと、ホームインテリアをメインにされていますか?

確かに、私たちがビジネスを始めて以来、住宅の内装は私たちの活動の多くを占めていますが、店舗の内装もします。近年はホテルやオフィスの内装に携わる機会が増え、 昨年はパリに6つのホテルを持つOrsoグループのホテルプロジェクトに携わりました。私たちが住宅の内装で得た経験と細部へのこだわりをより多くの公共エリアにもたらすことができるのは興味深いことです。また、私たちは常にスタイルと技術を兼ねた提案を得意とするので、それが、お客様が私たちを選んでくれる理由だと思っています。


最近、シャンゼリゼ通りの終わりの辺りにある4,000m2のオフィスも完成しました。ここでも、ホテルやアパルトマンの規定を第三の領域に持ち込むことは興味深いことでした。クライアントはそれを気に入ったと思います。一般的に言って、他の領域のスタイルを再現するというのはとても楽しい考えです。

デュオとしてどのように働いていますか? それぞれ異なる役割を持っていますか?

私たちは4つの手と2つの頭脳ですべてを創り出していると言えます!私たちは常に自分の考えに挑戦しようとしています。経験、それぞれの文化、時代、展示会で見たもの、旅行に導かれる直感や欲望などから始まり、常にオリジナリティを求めて挑戦しています。私たちが仕事で成功できるのは、この恒久的な繰り返しによると思っています。

Hauvette & Madani スタイルとはどのようなものですか?

私たちはさまざまな時代やスタイルをミックスさせ調和させることが好きです。しかし、私たちの作業の出発点は白いボックスで、使用する素材の色や色合いを徐々に追加していくイメージです。プロジェクトごとに、私たちは職人と緊密に協力をして、新しい種類の木材、新しいニス、または新しい仕上げの色を見つけようとします。私たちが本当に求めていることは、物語を感じることができる場所であることです。帰宅する人、オフィスに向かう従業員、ホテルを利用する顧客が、新しいと感じない場所にしたいと考えています。私たちが鍵を渡したとき、そこに入った人々は、そこがいつもの親しんだ場所であり、ある懐かしさを感じてくれると思います。


 

このアパートについて教えてください。 サマンサはここに住んでいますが、ここはあなたたちのショールームでもありますよね?

サマンサは、ヌイイ=シュル=セーヌにある私たちのオフィスの近くのアパートを探していました。この大きなメゾネットを見つけたとき、クライアントや他の訪問者を受け入れることができるスペースとして、一部を使用することができると思いました。


私たちはここでジャーナリストたちを迎え、クライアントとも最初の打合せをしてリラックスしてもらいます。また、私たちが求める仕上げの品質、デザインするオブジェ、使用する素材の種類なども紹介します。仕様のより詳細な打ち合わせは、代理店のオフィスの資料ライブラリで私たちのチームと一緒に行います。


 

「オヴェットとマダニの家(La Maison Hauvette et Madani)」プロジェクトでは、やりたいことを実現できましたか?

はい!ここは直感で作ったので、すべての仕掛けを取り入れるのはとても楽しかったです! 私たちらしさ示すことができるよう、好きなものを選びすべて取り込みました。


それぞれのプロジェクトは、美しい古いものを再現するなど、新しいトレンドを模索する機会でもあり、ちょっとした敬意を示して、象徴的な作品を飾ります。例えば、あるプロジェクトではシャルロット・ペリアンのテーブルを選択しますが、別のプロジェクトでは、マルセル・ブロイヤーの作品を選ぶこともあります。


ソファやランプなどを見に来る人もいます。私たちが何か新しいものをデザインしたら、それはここで行先を見つけるでしょう。


 

このソファについてもう少し詳しく教えてもらえますか?

これは私たちが最初にデザインしたものです。当時、気に入ったソファが見つかりませんでした。建築物のように安定した印象的で大きなもので、かなり低く座って陽気に打ち解けられるものを望んでいました。シート部分はゆったりとしていて「デイベッド」のようです。両サイドにボルスタークッションを追加しました。クッションは取り外せるので、より広いシートスペースを提供することもでき、さまざまに座ることができます。70年代風に、好きなようにくつろぐことができます!

ところで、USMはどこにありますか?

エコール・ド・カモンドで勉強していたとき、そこでUSMを見つけました。キャスター付きの大きなUSM本棚が空間を仕切っていました。当時はそれほど興味はありませんでしたが、それは非常に印象的だったのを覚えています。その後、それは無限の可能な組み合わせがあり、カスタマイズ可能な側面が素晴らしいことを知りました。この家具は、オーダーメイドの造作家具のように、好きな場所にプラグを引き出すことができます。つまり、木製家具に穴を開ける代わりに、配線穴を指定してテーブルランプやスピーカーをどこに置くかを計画することができます。


私たちが担当した住宅プロジェクトの1つで、クライアントはインダストリアルな雰囲気にしたいと考えていました。私たちは、2つの大きなブラックのUSMハラーの本棚を設置することにしましたが、それとは対照的な柔らかいイメージのリネンのソファ、カーテン、カーペット、コーヒーテーブルを合わせることで、バランスをとることにしました。


正確にイメージを描きたい建築家にとって、ニーズに合わせてデザインできるUSMはとても提案しやすい家具です。

Agence Hauvette et Madani - Projet client
© Catherine Madani

すべてのプロジェクトにおいて、このバランスの概念は常に存在するため、それをもたらすためにUSMは非常に貢献してくれます。

USMを顧客に提案するとき、どのような反応がありますか?

多くの顧客はすでにUSMを見たことがありますが、それがUSMであることを必ずしも知らず、フリッツ・ハラーによって実現された建築に由来するという歴史も知りません。そのため、私たち建築家にとって、この背景のある製品を提案することは非常に楽しいです。


また、私たちは特定のスタイルを求めることはなく、さまざまな家具を組み合わせたいので、色、サイズ、用途の点で、USMが常にぴったり合います。 たとえば、あるスペースにある高さの小さな収納ユニットが必要な場合、USMハラーでほとんど何でもできることを考えると、それが私たちのプロジェクトに完全に適合することが分かります。

Agence Hauvette et Madani - Projet client
© Catherine Madani

こちらにある2つのUSMハラーのユニットは、1つは子供部屋用で、もう1つはバーキャビネット用ですね。これらはどのようしてデザインされたのですか?

バーキャビネットは、以前お客様に提案したもので、一体型照明が見事に機能しています。ガラスキャビネットの中でお酒のボトルが美しく映えます! もう一つのUSM家具はサマンサと一緒に引っ越してきました。以前はキャビネットとして使用していましたが、今はおむつ交換台になりました。


USMはすべてに適応するため、私たちはUSMをとても気に入っています。プロジェクトの空間のバランスをとるために非常に有用です。すべてのプロジェクトにおいて、このバランスの概念は常に存在するため、それをもたらすためにUSMは非常に貢献してくれます。

サマンサ・オヴェットとルーカス・マダニに心から感謝します。


彼らの作品は、下記リンクよりご覧ください。


Web site: hauvette-madani.com


Instagram: @hauvette_madani

Photographies : Alexandre Moulard