製造工程

人が携わる品質管理

USMハラーは鋼板のロールから生まれ、力強い立体を作り出します。


スイスのミュンジンゲンにあるUSM本社では、全長2キロにもわたる鋼板の搬入がおこなわれます。そのロールから、USMハラーの何千個という部品が、大量、かつ正確に切り出されていきます。ミュンジンゲンでは、受注生産をおこなっています。製品の特徴は、製造にも大きなインパクトをもたらしますが、USMは、品質の高さを個性としています。

屋根が一つ。梁が4本。そしてファサード。「わが社の家具は建物と似ているんですよ」と説明するのは、USMのオーナー兼CEOのアレキサンダー・シェアラー。スイス初のオープンオフィスとなった、鋼鉄とガラスでできたパビリオンは、USMハラーのモデルにもなりました。大きなものから小さなものへ。小さなものから大きなものへ。工場は家具を連想させ、家具は工場を連想させます。ミュンジンゲンにある本社は今もそしてこれからも、USMの唯一の製造拠点です。


3度にわたる製造設備の拡張を経て、「パビリオン」は今やUSM本社の中核にある重要建造物となりました。また、新たに最新の技術を取り込んだテニスコート14面もの広さの粉体塗装工場を建設しました。特注設計のUSMの工場は地下にあるため、塗装ブースや、組立てラインや炉などの極めて技術度の高い構造を、会社の操業の妨げとなることなく建設することが可能となりました。

ウインブルドンのテニスの大会を易々と開けるほどの広大な空間で、4本の全自動の塗装コンベヤー上に粉末が噴射されていきます。毎日このようにして、5,600㎡もの金属部品に、USMハラーの14色が塗装されています。これにより生産能力をあげることができました。

粉体塗装設備は、スイスで生産を行うこと、そして世界的に高く評価される「スイスメイド」という価値要素への明確なコミットメントです。ここでは、高い品質水準、最適な製造条件、フレキシブルな工程が保証されています。帯電した粒子を均一に、接地されたパーツに噴射する、この優れたマシンは、生産量を上げ、リスクを下げ、フレキシビリティを高め、作業条件を向上させます。またこれは、USMが唱えるサステナビリティを証明するものでもあります。この設備により、エネルギー消費量だけで、最大30%減少しました。

また、製品の価値が落ちないということも、サステナビリティにとって最大の貢献要素です。高性能なツールと、厳しい制御システムが、会社の伝統と先見的なリソースを結びつけます。ハンドメイドの製品に、マシンの力が加わる場合には、人間的要素が常に不可欠です。世界中どこでUSMを購入されてもUSM品質は均一でなければなりません。だからこそ、精密性と信頼性はマシン任せにせず、従業員の目で確認することが重要とされるのです。一つ一つの部品は、お客様のリクエストが正確に記載されたUSM独自のソフトウェアで作成された図面が添付され、製造工程を流れ、最終的に組立ホールにまで送られます。この組立てホールで、完成品にまで組み立てられるか、プレアセンブリー状態まで組み立てられて、全世界に出荷されていきます。「最高の品質管理には、やはり人の目で確認することが必要なのです」とアレキサンダーは言います。「それぞれのピースを複数回、ひとが検査します。」マシンで製造したパーツを使って家具は組み立てられますが、訓練された社員は不良品を見逃しません。USMの社員の平均勤続年数が15年ということがその証です。

このような製造工程によって、専門技術が継承され、USM製品が生産されています。